ジェルネイルを使用するにあたって、成分のことを気に掛けるお客様が増えています。
ジェルネイルの成分名をパッと見て、その意味を理解出来るのであれば相当な化学的知識をお持ちだと拝察致しますが、普通は成分名を見ても、それが一体何なのか良く意味が分からないと思います。
そして、意味が良く分からないからこその「誤解」も少なからず生じてしまいます。
そこで、今回の記事では、ジェルネイルの成分名にも使われる「化学物質名」に関するトピックを採り上げたいと思います。
最近ジェルネイルの構成成分に興味の深い方から
「アクリル酸イソボルニル」とは、「アクリル酸」と何が違うのか?
と言うご質問がありました。
「アクリル酸」と言う名前が入っていると、どうしても独特の刺激臭があり、主にベースジェルの密着成分に使用される「アクリル酸」を連想させてしまうので、その様な質問が来るのかと思った次第ですが、まず最初に答えを言いますと、
「アクリル酸イソボルニル」と「アクリル酸」は、物性も全く違う「別の化学物質」です。
それでは、なぜ「アクリル酸」と名前が入っているのでしょうか?
「アクリル酸イソボルニル」は、アクリル酸から生成される「アクリル基」とイソボルネオ―ルから生成される「イソボルニル基」が結合して出来た化学物質です。
「アクリル酸」から生成される「アクリル基」は、アクリル酸と似た化学式(アクリル酸からHが一つ取れた物)になりますが、その「アクリル基」が「イソボルニル基」(イソボルネオ―ルからOHが一つ取れた物)と合体することによって、「アクリル酸イソボルニル」と言う、「全く違う物性を持った化学物質」になります。
そして、その「アクリル基」の部分を日本語名で「アクリル酸」もしくは、英語名で「アクリレート」と言う名称で呼び、「イソボルニル基」を表す「イソボルニル」と合わせて「アクリル酸イソボルニル」または「イソボルニルアクリレート」と言う名称で呼称することが命名ルールで決まっています。(「アクリル酸イソボルニル」と「イソボルニルアクリレート」は全く同じ物質の名称です)
化学物質の名称は、このように紛らわしいことが少なからずあります。
ですので、「アクリル酸」と名称に入っているからと言って、短絡的に「アクリル酸に似ている」などと、その物性を判断することは出来ません。
これは、「メタクリル酸イソボルニル」などの他の化学物質についても同じことが言えます。
昨今はインターネット上に様々な情報が溢れている時代ですが、ジェルネイルもその例外ではなく、まさに「玉石混交」で多くの情報が溢れている状態です。
しかし、この「玉石混交」と言うのがクセ物で、正しく有用な「玉」の情報もあれば、無用を通り越して間違っていて害のある「石(以下)」の情報も残念ながら溢れており、ジェルネイルに関する様々な情報の中にも、専門的な化学の知識に乏しいと思われる「思い込み」による情報が少なからず見受けられます。
昨今は、エデュケーターの先生方を筆頭に、「セミナー等で教えるためにも、ジェルネイルの化学的な知識を得たい」と言うご要望が多いようですが、そのためには、正確な情報を得ることが必須です
。
世に溢れる様々な「玉石混交」の情報の中で、ジャパンケミテックでは、「作り手側」だからこそ可能な「正確な情報発信」をして行きたいと考えております。
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